病臨床例−11 (新開発 酢浴治療)
緋喰い 例−1(緋昭和)
この鯉は2005年秋に乾燥南天を使用して、緋喰いが治った鯉です。
この時点で池に放しておいても、誰も気が付かないレベルまで治りました。
2006年8月末、何気なく池をのぞいていると、この緋昭和が目に止まりました。
緋喰いが再発していたのです。
今回は寿司酢に乾燥南天エキスをはじめ、数種類の漢方と言われるものでつくり数ヶ月間寝かせたもので治療をする事にしました。これは2000年頃から試していたのですが南天を先行させた為に表には出しませんでした。
2006年9月23日、鯉を薬浴させる為の280gの水槽に移して酢液を入れて治療の開始。
薬浴を開始して3日目背部にフワフワとしたものができ始めましたが、数日間、取れては、また出来を繰り返してやがては全てなくなりましたが、これが何なのかは判りません。
2006年10月8日、今回は乾燥南天を使用した時より早く綺麗になったのと鯉に負担が掛かってきた様なので取り合えず薬浴を終わる。
その後、薬浴が終わった時点より良い状態になっています。
緋喰い 例−2(紅白)
2007年2月22日開始。頭部から尾筒まで色が変わっていましたが、開始から4日後には頭部が極端に早く良い状態になり、傷のようなものも治っていました。
3月17日写真の様な状態になったので、終わりにして様子を診る事に。
緋喰い 例−3(紅白、昭和)
2006年12月5日、いい状態でいたのですが、紅白が突然死をしましたが原因は判りませんでした。
昭和は良い状態になり薬浴開始から1ヶ月過ぎたのでとりあえず飼い主に返したのですが、昭和はこの時季の水温の違いに耐えられなかったようです
大けが(紅白)
2007年5月6日全身傷だらけ、目は棒を差し込んでかき回した様な状態で眼球は無い状態で穴が空いているようでした。
2007年5月11日この鯉にもおかしなフワフワ状のものが出て来ましたが数日後には無くなりました。2007年6月6日治療開始から1ケ月見えているとは思えませんが眼球は再生されたようです。新しい酢液を入れ替えてこのまま1ケ月ほど様子を診れば尾鰭なども完全に再生をすると思います。
この鯉は酢液と相性が合うのか、いたって調子がよいので、酢液薬浴2ヶ月にトライです。
この鯉の薬浴開始の最初の写真は撮ってありませんでした。絶対に駄目だろうという感じでしたから。
2007年6月20日鰓ぶた部分、尾筒ともにきれいな状態になったので池に放すことにしました。しかし、眼球は再生をしませんでした。
黒い瞳
の様なものはありますが見えているとは思えません。鰓ぶた部分は骨がむき出たままの状態ですが、やがて再生するものと思います。
※ 1例めの鯉のフワフワは灸治に使うモグサのようで、高さは7mmくらいまで伸びました。
   4例めの鯉のフワフワはカビが生えている状態で、高さは3mmくらいでした。

※ 酢液は10日くらいで交換をします。汚れ方次第では早めに。
※ 水温は25℃を維持します。
※ メス鯉の場合、時季に関係なく産卵してしまう可能性が高いです。
※ 鯉の緋盤に酢を筆で塗り余分な緋を取り除くという友人がいますが
   酢も応用次第では 凄い ですね。