稚魚飼育・複数池濾過システム
如何にして複数池の濾過をする?
私は毎年子取りをします。時季(4月下旬)になると庭には数個の池、水槽が並びます。
池、水槽にはそれぞれ独立した手作り濾過槽が付きます。稚魚(毛仔)はミジンコの生き餌で飼育しますがすぐに人工餌に切り替えます。早く大きくする為に餌をドンドン与えます。
当然ですが排泄物も多く出します。この頃(7月)になると梅雨も明け、水温も上がり稚魚はさらに餌を多く欲しがります。
濾過槽では微生物が頑張ってくれていますが、やはり小まめに濾材の手入れが必要となります。昨年のシーズンが終わり、まず考えた事は濾過槽の事でした。
幾つもある濾過槽の掃除を楽にする為に、大きな水槽を冬の間に改造して大型濾過槽を作れば随分楽になるのではという考えから始まりました。
しかし、数個の池、水槽を配管で結ぶとなると、その周りには配管があっちこっちに這い回り、足を引っ掛けたりするだろうし、見た目も悪い、悩んだ末に配管を地中に埋設する事にしました。
又、更によいものがある事に気が付きました。5型の全自動濾過器です、ハウス内で3dの水槽に使用していましたが、それを出してしまった為に隅で遊んでいる事に気がつきました。
そうだ、これでやって見ようという事にしましたが、実際にこの濾過器で私が考えているような利用の仕方が出来るかどうかが問題です。
各池、水槽の大きさ、高さ、地面との高低差、そのような事が吸水、排水(処理水)にどのように影響するか、又、調整するか、調整出来るか。
数日間悩み,色々と調べましたが答えは出ませんでした。取り合えずホームセンターへ行けば何か参考になる物があるのではないかと思い、該当しそうな部門をウロウロと、数店舗めでこれだ〜という物が目に入りました。
プラスチック製のバルブです。これを上手く利用すれば水流の微調整が出来るのではと考え着工しました。

複数池濾過システムの概要
コンパネ、ブルーシート、足場パイプを利用してこの時季だけの池です。4500gの水量です。深さ45aです。毛仔を3000〜5000尾放します。多いと思うのですがつい欲が出て多く放してしまいます。
子供用のプールを利用した池です。1300gの水量です。深さ40aです。
毛仔は2000尾くらい放します。プールは毎年新しいものに替えます。ホームセンターで3000円くらいで売っています。
この様なプールは夏場でないと売り場にはありません。ですから夏の売り出しの時に来年用のものを買い準備しておきます。
ハウスに一番近い所にある500gの水槽です。深さは70a。写真の奥に左右のパイプが見えますが、吸水、処理水の為のパイプです。
ハウス内の280gの水槽です。深さ85a当才の小さいクラス8〜15aを20〜30尾いれて25℃にして越冬させます。
冬の間、外の池、水槽が無くなる為に5d用の濾過器1台で濾過します。
さぞかし綺麗な水が出来ると思うのですが。
濾過器から4つの池、水槽への吸水、処理水の調整をする為のバルブを付ける。上段が吸水調整バルブ、下段が処理水調整バルブです。濾過器から出ている吸、処理水の配管は約1mの所で地下に潜る為に見えなくなります。
溶存酸素を多くする為に磁石を付けます。地中の配管にも付けました。
部がマグネット装着ヶ所です
濾過システム ブロック図(平面図/側面図)です。
図をクリックすると拡大して見られます。

こうして作りました
池、水槽をこの場所に置きます。
昨年植えたリュウのヒゲをこぎ、配管の準備をします。
地下に配管を埋設します。写真奥のハウス方向から各池、水槽に向けて吸、処理水の配管をします。
写真奥左に青い水槽が見えます、この水槽で毎年ミジンコを発生、増殖させます。
2つの池に行く配管です。太いパイプが処理水、細いパイプが吸水管です。
写真中央の下で切れているのがコンパネ池用、下に続いているのがプール池用です。
配管の埋設は出来る限り楽そうな所を通します。
写真手前が処理水口に接続、写真奥が吸水口に接続します。
手前に見える白い物(丸い)が吸水管の出口です。使用するとき蓋を取りパイプを差し込んで使用します。
奥の方の日陰の所に小さく白い物が処理水管の出口です。
やはり蓋を取りパイプを差し込んで使用します。池、水槽を設置するればすぐ使えます。写真右上は我が家の愛犬 ゴンちゃん です。
使わない時季は蓋をします。このようになりますから邪魔、めざわりにはなりません。

楽して育つ稚魚
最高の性能が出せるようにと思考錯誤を繰り返してついに完成しました。
まずは一番奥の3番プール池の吸、処理水バルブを開き機械のスイッチを入れました。いい感じで仕事をはじめました。当たり前の事ですが感動しました。
続いて2番コンパネ池のバルブを開きました、これも又、いい感じで働きだしました。
30分くらいすると3番池の水位がわずかに下がりだしました。やはり、地面の高低差の影響が出て来ているようです。
吸、処理水のバルブで調整して、水位を保つようにして、1番水槽のバルブも開きましたが、やはりバルブの調整が必要のよう数日間様子を見ましたが、水は不思議な動きをします。
数日間水位が安定しいても濾過器が1度自動洗浄するとどこかでバランスを崩すのか、あふれる池、水が足りなくなる池マア〜難しいですね。
私の場合は仕事が自宅ですから毎日のバルブ調整をして使用すればいいのかナ〜という事になりました。
又、全部の池、水槽を1度に濾過しようとしないで、各池、水槽ごとに、時間、半日、1日、などと決めて、集中的に濾過しても良いようです。
結果として、今年の稚魚の育ちは大変に良く、買えば2桁はするだろうと思われるものも出ました。今夏は餌やりだけで済み大変に楽をさせてもらいました。