臨床例−10 (緋喰い病 60cm 緋昭和)
11月3日
友人に誘われて、鯉の展示即売会に行きました。良い鯉も多く出品されていましたが、中にはひどい状態の鯉(病鯉、奇形、)を堂々と販売している業者もいました。又、その様な鯉を夢中になり買う人もいました。(凄いの一言)
11月4日
昨日の事を考えながら我が池を見ていました。我が池にも立派な緋喰いがいたのです。処分しなければと考えていたのですが他には感染しないと言うこともあり、処分出来ずにいた5歳の緋昭和です。(写真1)
尾筒の上には小豆くらいのイボのようなものが7個でき(写真2,3)、顔から尾まで色々な色がカラフルに輝き、体のあらゆる所が隆起し、素手では触れないような状態です。
こればかりは南天でも絶対無理だろうと思うが、駄目元でやってみることに。
11月10日
南天浴をしているので様子を見ない訳にもいかず、とりあえず網を入れて寄せて見ることに。
南天浴中は中が非常に見にくいのですが、少し浮いて来たのを見たところ、6日前とは明らかに違う。
イボのようなものが米つぶくらいになりだいぶ小さくなり、隆起していた部分もほとんど判らない状態になり、カラフルな色も随分色があせてきているよう。(写真4,5)
11月19日
南天浴開始してから15日。穴あき病と違い餌を少量ずつ与えているので水も相当汚れているはず。状態をよく確認したい為もあり薬浴水の交換をする。(写真6)
280リットルの水槽に対応する濃い南天液を用意する。病鯉を準備した桶に移し、水槽をきれいにして、25℃にした水を入れて鯉を放す。(写真7)
開始時から比べると、違う鯉を見ている感じがする。
この鯉の事情を知らない人に何気なく見せれば、おそらく気がつかないレベルまで回復している。 
12月1日
前回、確認をしてから特に進展はない為、とりあえず薬浴の終了を考える。 
12月2日
緋喰い治療には、これが特に良いという治療方法はないようです。重症魚の場合、緋盤の上のイボ、凸凹の部分を切り取るそうですが凸凹は緋盤の上にできます。その緋盤の凸凹を切り取った場合、緋が無くなった下地の白が出てまだらになり、観賞魚としての価値はないように思われます。
南天治療の場合は、乾燥南天を0.05%を使い、温度を25℃にして循環濾過を行い様子を見守るだけです。
約1ヶ月かけて、ひどい状態の緋喰いを治す事が出来ましたが、1例目の為、ただ治ったという事だけです。
この先、再発する事も考えられますので緋喰い病については、今後、色々と勉強をしなければならないと思います。
私的、感想として南天は、鯉の病気を治すためにあるように思います。